「確定申告で見落としやすいポイントと効率的な進め方」

確定申告は、正確な申告を行うことが求められる一方で、意外と見落としやすい項目や注意すべきポイントが多い手続きです。特に、初めて申告をする方や忙しい事業主の方々は、作業を進める中でミスや漏れが発生しやすくなります。今回は、確定申告で見落としやすいポイントと、効率的に進めるためのコツをご紹介します。

---

見落としやすいポイント

1. 必要経費の漏れ
日常的な経費記録を徹底していない場合、必要な経費が申告から漏れてしまうことがあります。以下のような経費が漏れていないか再確認してください。

• 自動車関連費用：ガソリン代や車両メンテナンス費用
• 交通費：業務で使用したタクシー代や電車代
• 通信費：事業用携帯電話の利用料金やインターネット費用

2. 控除の適用漏れ
控除は節税において大きな効果を持つため、適用漏れがないように注意が必要です。特に次のような控除を確認してください。

• 医療費控除：家族全体で支払った医療費が10万円（または総所得の5％）を超えている場合
• 寄付金控除：ふるさと納税や他の寄付を行った場合
• 社会保険料控除：国民健康保険や年金の支払額

3. 事業用資産の減価償却
事業用に購入した資産（パソコンや事務用家具など）については、減価償却費を計上できます。これを忘れてしまうと、本来抑えられるはずの税額が増えてしまいます。

---

効率的に申告を進めるコツ

1. 早めに書類を整理する
申告書の作成は、書類が揃っていないと進めることができません。以下の書類を早めに整理しましょう。

• 収入に関する記録（売上帳、請求書、領収書）
• 経費に関する証拠書類（領収書、請求書、明細書）
• 控除に関する証明書（保険料の控除証明書や医療費の領収書）

2. 会計ソフトを活用する
会計ソフトを利用することで、取引データを自動で整理し、申告書の作成を効率化できます。特にクラウド型の会計ソフトは、自動連携やデータ保存が便利です。

3. プロに相談する
税理士や会計事務所に相談することで、不明点を解消しつつ、正確な申告が可能になります。特に、初めて申告する場合や収入が複数種類ある場合は、専門家のサポートを受けることをおすすめします。

---

確定申告をスムーズに進めるための手順

1. 必要な申告書類を揃える
収入や経費、控除に関する書類をすべて揃えてから申告作業に取り掛かります。不足がある場合は、早めに発行元へ再発行を依頼してください。

2. 収入と経費を計算する
1年間の総収入と経費を計算し、課税対象となる所得を算出します。これには、青色申告特別控除や事業専従者控除を適用することで、課税所得をさらに減らすことができます。

3. 電子申告（e-Tax）を準備する
電子申告を利用する場合、マイナンバーカードや利用者識別番号を用意して、事前にe-Taxの動作確認を行ってください。電子申告を利用することで、青色申告特別控除の65万円控除が適用されます。

---

確定申告で役立つ節税方法

小規模企業共済
老後の資金準備と節税を同時に実現できる制度です。掛金が全額所得控除の対象となるため、税額を大幅に抑えることができます。

iDeCo（個人型確定拠出年金）
掛金が所得控除の対象となり、運用益も非課税です。将来の資産形成をしながら節税効果を得ることが可能です。2024年から拠出限度額が一部引き上げられているため、さらなる活用が期待できます。

少額減価償却資産の特例
30万円未満の事業用資産は、取得年度に全額を経費として計上できます。この特例を活用して、年度末までに必要な設備投資を行いましょう。

---

まとめ

確定申告は、正確に進めることで税負担を軽減し、将来の事業運営に向けた良いスタートを切るための大切な手続きです。事前に書類を整理し、漏れやミスを防ぐ準備を行うことで、申告作業を効率化できます。また、節税の可能性を探ることで、経営の安定にもつながります。

確定申告や節税に関するご相談は、ぜひ当事務所までお問い合わせください。専門知識を活かし、皆さまの申告を全力でサポートいたします！