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「青色事業専従者給与」—家族を事業に雇う際のメリットと注意点

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「青色事業専従者給与」—家族を事業に雇う際のメリットと注意点

「青色事業専従者給与」—家族を事業に雇う際のメリットと注意点

2024/11/29

個人事業主が家族を事業に従事させている場合、その給与を経費として計上できる制度が青色事業専従者給与制度です。

この制度を適切に活用することで、事業所得を減らして節税効果を得ることができます。

ただし、利用するには条件を満たし、正確に手続きを行う必要があります。

今回は、青色事業専従者給与の仕組みや活用のメリット、そして注意点について詳しく解説します。


1. 青色事業専従者給与制度とは?

青色事業専従者給与制度とは、青色申告を行う個人事業主が、家族を事業に従事させた場合に、その家族に支払う給与を必要経費として計上できる制度です。これにより、課税所得が減少し、所得税や住民税の負担を軽減する効果があります。


2. 青色事業専従者給与を利用する条件

制度を利用するためには、以下の条件を満たす必要があります。

a. 事業主が青色申告を行っていること

青色申告をしていない場合、この制度は利用できません。

事前に税務署へ青色申告承認申請書を提出し、承認を受けていることが条件です。

b. 専従者が家族であること

専従者給与を受け取れるのは、事業主と生計を一にする**配偶者や親族(6親等内の血族、3親等内の姻族)**です。

c. 専従者の要件

家族である専従者が以下の条件を満たしている必要があります。

  • 事業に専ら従事していること(副業や他の職業を持っていない)
  • 年齢が16歳以上であること
  • 年間6ヶ月以上事業に従事していること

d. 事前届出の必要性

専従者給与を経費として計上するには、事前に「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出しなければなりません。


3. 青色事業専従者給与のメリット

a. 節税効果

専従者に支払った給与が必要経費として認められるため、事業所得が減少します。

これにより、所得税や住民税の課税対象額を減らすことができます。

例)事業所得が500万円で、専従者給与として年間150万円を支払った場合:

  • 課税対象となる事業所得 = 500万円 - 150万円 = 350万円

b. 家族への給与支給が合法化される

家族に報酬を支払うことが税務上も適切に認められるため、安心して事業運営を行えます。

c. 年金や社会保険料の確保

専従者給与として給与所得者になることで、家族の年金や社会保険料の負担を増やし、将来の保障を強化できます。


4. 専従者給与の計算と支払いのポイント

a. 支給額の設定

専従者給与の金額は「事業規模や業務内容に見合った適正な金額」でなければなりません。

過剰な給与を設定すると、税務署から否認される可能性があります。

  • 適正金額の例: 同じ業務内容で他の従業員が受け取る給与や、地域の相場を基準に設定する。

b. 支払いの実行

実際に銀行振込や現金払いで、毎月専従者に給与を支払う必要があります。

支払記録を残しておくことで、税務調査に対応しやすくなります。

c. 給与明細書の発行

給与支給時には、専従者に対して給与明細書を発行し、控除や支払い金額を明示することが求められます。


5. 専従者給与制度を活用する際の注意点

青色事業専従者給与制度を活用する際には、いくつかの注意点があります。

a. 届出書の提出期限

「青色事業専従者給与に関する届出書」は、専従者を雇う年の3月15日までに提出する必要があります。

提出が遅れると、その年は制度を利用できません。

b. 専従者の実態確認

専従者として事業に従事していることが実態として認められなければなりません。

専従者の労働実績が明確でない場合、経費計上が否認される可能性があります。

  • 業務内容の記録: 専従者がどのような業務を行ったのか、日々の作業内容を記録しておくと安心です。

c. 他の扶養控除との併用不可

専従者給与を支払った場合、その専従者は事業主の扶養家族とはみなされなくなります。

そのため、扶養控除や配偶者控除は適用されません。


6. 制度を利用しない場合の「事業専従者控除」との違い

青色申告を行わない場合でも、家族を事業に従事させている場合は、「事業専従者控除」という制度を利用できます。

ただし、青色事業専従者給与制度と比べると控除額が固定されるため、柔軟な給与設定ができません。

  • 事業専従者控除額: 配偶者は86万円、それ以外の親族は50万円が上限。
  • 青色事業専従者給与の自由度: 実際に支払った給与額が必要経費として認められる。

7. 制度を活用する事例

a. 小規模な飲食店経営の場合

家族が飲食店の運営を手伝い、接客や仕入れ業務を担当している場合、専従者給与を設定することで、事業所得を圧縮しつつ適切な報酬を支払うことができます。

b. ITフリーランスの事務補助

配偶者が事務処理や会計管理を行っている場合、その労働に対して給与を支払うことで、家庭内の役割分担を明確にし、節税にもつながります。


まとめ

青色事業専従者給与制度は、家族を事業に巻き込みながら節税を実現できる有効な手段です。

ただし、適正な給与額の設定や労働実態の記録が求められるため、制度を利用する際には慎重に準備を進めましょう。また、事前届出の期限を守ることが必須です。

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