年末までに確認しておきたい「資金繰りの見直し」—個人事業主が取り組むべき資金管理と来年への準備
2024/11/11
年末が近づくこの時期、個人事業主にとって資金繰りの見直しは重要な取り組みです。
年末に売上や経費、支払いの状況をしっかり確認し、資金の流れを把握することで、翌年の事業計画を立てやすくなります。
また、必要に応じて融資や資金調達の準備を進めておくことで、年明けの事業拡大や運転資金の確保に備えられます。今回は、年末に向けた資金繰りの見直しのポイントと、今のうちにできる具体的な対策について解説します。
1. 年末までに確認したい「資金繰り表」の整理
資金繰り表とは、収入と支出を月ごとにまとめて、現金の流れを明確に把握できるようにしたものです。
現金の入出金を時系列で確認することで、今後の収支バランスや手元のキャッシュフローの状態が見えやすくなります。
a. 資金繰り表の作成
今まで資金繰り表を作成していなかった場合、今のうちに作成してみましょう。
作成する際には、主に以下の収支項目を月ごとに整理します。
- 収入: 売上収入、その他収入
- 支出: 仕入れ費、事務所家賃、光熱費、通信費、税金の支払い、借入金の返済など
- 手元資金の残高: 月末の手元現金や預金残高
b. 過去数ヶ月の資金繰りを振り返る
年末までの収入と支出の流れを振り返り、特に収支バランスが大きく崩れた月がある場合、その原因を確認しましょう。
例えば、売上が減少したタイミングや、急な設備投資が発生した月があるかもしれません。
これらの情報をもとに、来年の支出のタイミングや収入の見込みに対する対策を検討できます。
2. 年末年始に向けた「資金の確保」
年末年始は、売上が変動しやすい一方で、仕入れや人件費、事務所の維持費などの出費が発生しやすい時期でもあります。この時期に備えて、資金の流れを調整し、現金不足に備えておくことが重要です。
a. 売掛金と買掛金の回収・支払いを確認
取引先からの売掛金が滞っている場合、年末までに早めの回収を行うことで、手元資金の余裕が生まれます。取引先と確認のうえ、支払いの見通しを立てましょう。
- 売掛金の回収を早める: 必要に応じて、回収期日の調整や前倒しの支払いを依頼するなど、
- キャッシュフローを円滑にするための調整を行います。
- 買掛金の支払いスケジュールの見直し: 支払いが集中する場合は、無理のない範囲で支払期日を調整できるか、取引先に相談するのも一つの方法です。
b. 必要な融資の準備
年末にかけて資金不足が予測される場合は、早めに金融機関への融資相談を行うとよいでしょう。
新年に向けた事業拡大を検討している場合も、年末の時期から資金調達の計画を立てておくことで、
タイミング良く資金を確保できます。
- 事業計画の準備: 融資を検討する際には、計画的な事業運営と資金使途が明確に説明できるよう、簡単な事業計画書を用意しておくと、金融機関との交渉がスムーズに進みます。
- 助成金や補助金も確認: 融資以外にも、年末年始には助成金や補助金の申請情報が発表されることがあります。事業に必要な費用の一部が補助される場合もあるため、確認しておきましょう。
3. 年末までに行う「経費削減」の見直し
資金繰りを改善するためには、今の時期から無駄な経費の見直しも重要です。
年末の棚卸しや収支の分析を通じて、事業に本当に必要な経費と、見直しが可能な経費を把握しましょう。
a. 通信費や交通費の見直し
毎月発生する固定費である通信費や交通費については、不要な支出がないかを確認します。
サブスクリプション契約など、利用が少ないものは一時的に解約や見直しを検討してみましょう。
- オンラインツールの料金プラン確認: サブスクリプション契約のサービスが業務に必須でない場合や、料金プランが適していない場合、プランの見直しや契約の一時解約も節約につながります。
b. リースや借入金の見直し
リースや借入金の返済が資金繰りに負担をかけている場合、契約内容の見直しや、再交渉を検討することも手段のひとつです。
- リース契約の再評価: 使用頻度が低くなった機器や設備がある場合、リース契約の変更を行うか、買い替えを検討することでコスト削減が見込めます。
4. 資金繰りを安定させる「キャッシュフロー管理」
キャッシュフロー管理を徹底することで、資金の流れを適切に保ち、年末年始に向けて余裕を持たせた資金運営が可能になります。
a. キャッシュフロー予測の作成
翌年の売上や支出の見込みを予測して、簡単なキャッシュフロー表を作成しておきましょう。
翌年1年間のキャッシュフローを見える化することで、資金不足が予想される月や、余裕が出るタイミングを事前に把握できます。
- 収入と支出のバランス確認: 特に、収入が増える見込みがある時期と、支出が増える時期が合致しない場合に備え、資金繰りを調整します。
b. 定期的な資金繰りの見直し
キャッシュフローの管理は一度だけでなく、毎月見直すことが大切です。
月ごとに実際の収入・支出が予定通りに進んでいるかをチェックし、状況に応じて計画を修正していきましょう。
5. 年末年始に向けた「事業計画の立て直し」
資金繰りが安定すると、事業計画の立案もスムーズに進められます。
年末の今の時期に計画を見直し、翌年の事業目標や必要な資金について具体的なプランを立てることで、資金調達や設備投資のタイミングを見極めやすくなります。
a. 目標収入の設定
翌年の売上目標を明確にし、その目標達成に向けたマーケティングや営業活動の方針を立てましょう。
資金繰りも同時に調整し、売上のピークに合わせた支出計画を立案します。
b. 設備投資のタイミングの検討
事業の拡大に向けた設備投資や新たな取り組みがある場合、予算を確保し、必要な資金調達のスケジュールを立てます。
特に大きな投資は、事前に資金の流れを把握しておくことで、資金繰りを崩さずに行えるようになります。
まとめ
年末に向けた資金繰りの見直しは、翌年の事業計画の基盤づくりに欠かせません。
売掛金の回収や、経費の見直しを行い、年始からスムーズに事業が運営できるよう、余裕を持った資金管理を進めましょう。
また、資金繰りの改善策や融資の準備を今の時期から進めることで、年明けに向けて安心して事業を展開できるようになります。
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