不動産を売却したら確定申告は必要?
2023/06/30
不動産を売却した場合の確定申告
建物や土地などの不動産を売却して利益を得た場合には、
譲渡所得の確定申告が必要となります。
ただし、課税所得金額や特例適用の有無によって、
必要・不要が変わるので注意が必要です。
また、特例次第で節税につながる可能性があるため、
適用要件も確認しておきましょう。
以下のような場合には確定申告が必要となります。
①不動産売却によって売却益が発生し、所得税を支払う必要がある
②不動産売却によって損失が発生し、損失額の分だけ所得税の控除をうけたい
売却益が出た場合には確定申告が必須ですが、
損失が出た場合にも確定申告をすることで還付を受けられるケースもあります。
不動産売却の場合、申告分離課税となり、他の譲渡所得とは分けて計算する必要があります。
そのため、通常の確定申告書と併せて、分離課税用の確定申告書の作成も別途で行います。
不動産売却による譲渡所得の計算方法
不動産売却による譲渡所得の計算方法は以下のとおりです。
不動産売却による譲渡所得=不動産売却による収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額
取得費とは「不動産の購入代金や支出した改良費・設備費などの合計」です。
売却した不動産を買ったときの代金や、購入にかかった手数料などです。
ただし、古すぎて不動産の取得費がわからないときや、
取得費が売却価格の5%を下回るときには、
売却金額の5%相当を取得費とみなすことが可能です。
譲渡費用とは「不動産を売却したときにかかった金額」のことです。
不動産仲介会社への仲介手数料や土地の測量費、立ち退き料などが該当します。
特別控除とは、該当する場合に適用が受けられる控除です。
3,000万円の特別控除
マイホームを売却する場合は、譲渡所得から3,000万円を控除できる「3,000万円の特別控除」が利用できます。
ただし、その年の譲渡所得が3,000万円未満だったときは、
その譲渡所得の金額分のみ控除可能です。
軽減税率の特例
マイホームを売却するときに「売却年の1月1日時点の所有期間が10年を超えている場合」は、
以下の税率を適用される「軽減税率の特例」が使えます。
買い換え(交換)の特例
マイホームを売却した年の前年~翌年の3年間でマイホームの買い換えを行った場合、
売却した年ではなく買い換え後のマイホームを譲渡したときまで課税を遅らせる「買換え(交換)の特例」が適用できます。
まとめ
不動産の譲渡所得では取得費をいくら計上するかによって納税額に大きな影響が及びます。
しかし、取得費の計算は減価償却費を算出する必要があります。
煩雑な書類の作成となる場合もありますので、慣れない方は専門家の税理士に相談するのも良いでしょう。
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